働きやすい環境で、
向上する技術力
2020年入社
設計部
政治学部 国際関係学科卒

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舞台芸術の感動を、多くの人へ

中高生のころに脚本、裏方、演出、演者を全員で行う、少し変わった演劇部に所属していました。さまざまな角度から演劇に関わっていく中で、演劇部の地区大会で観た照明の演出に感銘を受けました。「セリフや演技ではなく、照明だけで伝えたいことを表現できるのか!」と、驚き、感動したのを覚えています。その頃から、どのような形であれ舞台芸術、特に照明に関わりたいと考えていました。

そのため就職活動では、舞台に関わる仕事であれば劇場運営やイベント企画などあらゆる業種を視野に入れて活動していました。その中でも松村電機製作所は全国の劇場に関われると知り、エントリーを決めました。また、就職活動中の適性診断テストで、細かいところをチェックしていくことが苦にならない性格からエンジニアや設計士などの仕事が向いていると指摘されたことがありました。そこで設計部へエントリーしましたが、文系でCADを使ったこともない私が受かるとは思っていませんでした。新人研修では外部の学校で1カ月ほどCADや建築について学んだり、先輩社員の案内で劇場を見学させていただいたりとしっかりとしたサポート体制があります。また、部署を問わず質問がしやすい雰囲気もあり、現在は電気や建築の知識を深めながら業務に取り組んでいます。

ニーズをすくい上げて、最良の提案を

設計部は、劇場内の照明位置や種類、配線などを検討し建物の図面に作図する「計画設計」と回路図などを取り扱う「システム設計」に分かれています。私は計画設計を担当し、新築と改修の物件に携わっています。新築物件では、舞台の大きさや客席空間のつくりなど、その建築に合わせた照明計画を行います。劇場ごとにデザインの個性があり、その個性を最大限活かせるような工夫が求められます。

一方で、改修物件は照明設備の入れ替えが多いため実際に使用する照明技術者へのヒアリングや現場調査をもとにした作図が主な業務です。物件によっては手書きの図面しかなく、現場調査をしっかりと行う必要も。現場の写真を撮り、図面に描かれている情報が正しいのかチェックし、コンセントの位置や照明設備が図面と合致しているのかを一つずつ確認していきます。調査が終われば、新築同様に設計図としてまとめます。

入社して2年目には、改修物件の現場調査から作図までを初めて担当しました。図面と現場を照合していくことで、寸法や位置のズレを補正していきます。舞台の裏側や高所の設備を実際に見ていくことで、現場調査だけでなく施工の難しさも学ぶことができました。また、キャスター付きの機器と交換予定の箇所に簡易的に固定された既存機器を発見し、安全確実に固定して使用できる機器の方が良いのではと提案をしました。些細なことかもしれませんが、現場の声をすくい上げることができた経験は大きな学びになっていると思います。今後は、さまざまな機器の知識をつけ、各物件に相応しい設備の選定までできるようになることが目標です。

1日の流れ

技術力向上は、ワークライフバランスから

設計部の仕事は、劇場に足を運んだ人を想像しながら作図する楽しみがあります。お客様や演者、スタッフからはどのような景色が見えるのかを考えています。また、設計部には日本全国の支店・営業所から図面が届くため、全国の劇場で行われている創意工夫を学ぶこともできます。常に学びの多い部署です! 以前は魔法みたいにどこにでも機器をおけるのかと思っていたけれど、この演出のためにはこんな工夫がされているのかなと想像ができるようになりました。今後は商業演劇を積極的に観に行って、どのような演出や装置があるのかもどんどん学びたいです。

こうした学びも完全フレックスタイム制を取っているからこそできること。プライベートと仕事のワークライフバランスも調整しやすいので、仕事終わりに舞台や映画を観に行くこともできますし、時間を調整して病院や役所に行けることも魅力だと思います。そのためにも、〆切のある業務に効率的な方法を考えて取り組んでいます。現在、使用しているCADソフトは高度なコマンドやフリーソフトを利用することで作業を単純化できるため、難しい作業があれば効率的に行うように工夫しています。
就活は気をもむ場面が多く、焦ったり疲れたりする時期かと思います。同時にさまざまな業界・職種の方のお話を聞ける貴重な時期でもあるので、気になった会社や面白そうな会社にはためらわずアプローチすると私のように思わぬ出会いがあるかもしれません。あまり気負いすぎず、知見を深める気持ちで取り組んでいただきたいです。就活を心身ともに健康に終えられることを祈っております。